【化学基礎】物質量①〜molは粒子を数える”おにぎり”?!〜【授業実践備忘録】

久々の授業実践備忘録の投稿です。
私の勤務校では夏休み明けから、化学基礎の授業で物質量(mol)を扱っています。
そもそもmolとは何なのか?
この記事をご覧になっている先生方ご自身で、高校生にわかりやすくご説明できていますか?
私もこれまで化学の授業を毎年行っていますが、molとは何かを理解できていないまま、3年生まで化学の学習を続けてきたという生徒が少なからずいます。
私自身、物質量というのは、原子・分子・イオンを数多くまとめてできた”おにぎり”のことで、molとはその”おにぎり”を数える単位であると説明しています。
この記事では、物質量の定義についての私の授業実践をちょっと詳しく綴って参ります。

粒子を数多くまとめるとは?

原子・分子・イオンをなぜ数多くまとめるのでしょうか?
それは、原子・分子・イオンの実際の質量が量れないからです。
だから、同じ種類の原子・分子・イオンを数多くまとめて、人間にとってわかりやすいように質量などの量を考えていくわけなのです。
それでも何かを「まとめて数えて考える」ということにピンときてないという生徒は少なからずいます。
身近なところでいうと、学校のクラス、鉛筆のダースなどが当てはまります。
ただ、今では主にシャープペンシルが使われていて、鉛筆のダースというのがわからないという生徒が多く、生徒にとってはピンとこなかったようです(泣)

原子・分子・イオンもこれと同様で、アボガドロ数個の粒子を集めた“おにぎり”を1molとして数え、物質量といいます。
つまり、物質量というのは、ものを数える単位です。
私の授業では、おにぎりは海苔で巻いたものをまとめて1個と数えていて、お米の粒を1個ずつ数える人はほとんどいないことを例に説明しています。
この”おにぎり”の説明で多くの生徒が納得いったという表情をしていました。

数値の表し方

さて、この記事をご覧になっている先生の中でも、molと粒子の個数の換算をする際、✕の前の数値を10で割ったり、指数を足したり引いたり⋯といったように、数値をどのように表せばよいか、ご指導に困ってはいらっしゃいませんか?
私の授業においては、理科では大きな数から小さな数まで扱っていて、指数を使って表すと、何桁の数値になるかがすぐにわかりやすいと説明しています。
(指数計算や有効数字などの数値の表し方については、原子量の単元に入る前に1時間使って説明しています)

分子の中の原子の数は?

これも私が授業を担当している高校生の中でよくつまずくところです。
これについては、分子を”串にささった団子”、原子を”串をはずした団子”に例えて考えていくとわかりやすいですよ。
串にささった団子は、1本の串に何個団子がささっていようが1本と数えます。
串を外すと、バラした団子を1個と数えます。
下の板書にもありますが、水分子は水素原子2個、酸素原子1個が1本の串にささった団子の状態、水素原子と酸素原子は串をはずした状態の団子とそれぞれみなします。
1999年に「だんご三兄弟」という歌がヒットしていたので、以前はそれにちなんで説明をしていましたが、現在の高校生には通じませんでした(泣)

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文責:滝沢