【生物基礎】植生と生態系の導入【授業実践備忘録】
私の勤務校の生物基礎の授業では3学期に植生と生態系について学ぶことになっています。
ただ、生物基礎ではこれまで細胞・遺伝子・人体をテーマに授業をしてきましたが、いきなり植生やバイオームという用語が出たり、植物を中心に生態系を捉えるというのは、どうも話が飛躍しすぎているのではないかと思うのは私だけでしょうか?
また、私が担当している生徒の植物に対する理解度は低く、中には植物が生物ではないと思っていた生徒もいるようで。
2学期の期末テスト終了直後は生徒がダレ気味になっているだろうということもあり、植生の単元の最初の授業は、植生と環境との関わりについてワークをふんだんに織り交ぜながら進めました。
あなたの思う「自然環境」とは?
このタイトルをご覧になったとき、この記事の読者の皆様はどんな絵をご想像されるでしょうか?
私の授業では、「自然環境」を絵で表すワークを生徒に行ってもらいました。
そうすると、生徒は楽しみながら思い思いの絵を描いてくれました。
中には、地球環境問題を意識したのか、海岸に漂着したプラスチックごみを描いた生徒が多くいたクラスもありました。
ちなみに、ChatGPTに「自然環境」を絵で表してもらったところ、下のような画像が示されました。
植物の「緑」と水の「青」を誰もが示していた
クラスの生徒に絵を描いてもらった後、クラス全員の絵を見合って気になったことを意見として挙げてもらいました。
植物を示す「緑」と水を示す「青」を、全員の生徒が使っていたことには私も驚きました。
つまり、環境を構成する上で植物と水が重要であることをどの生徒も認識していたのだと思います。
生物が生きる上で必要なものは?
さらに派生して、生物が生きる上で必要なものは何かについて、生徒に考えてもらいました。
私たちヒトを含め、どの生物も他の生物や自然環境と関わりながら生きています。
他の生物は「生物的環境」と捉え、植物・藻類=生産者、動物=消費者、菌類・細菌類=分解者の間での食物連鎖が生きる上で必要になります。
生物以外の環境は「非生物的環境」と捉え、その中でも水・大気・光・温度・土壌が生物が生きる上で必要なもの(環境要因)になります。
また、非生物的環境と生物的環境の間では相互作用をし合います。
こうした関わりをまとめて生態系と呼ぶことを、私の授業では導入段階で説明しています。
植物の分類
生物基礎の教科書では植物を集合体=植生として捉えて、生物の多様性や生態系について説明しています。
しかし、植物の分類についても理解することが必要なのですが、説明が乏しいので、以下のことを私の授業では説明しています。
草本=「草」
木本=「木」⋯ 細胞壁を固くしながら巨大化した状態
広葉樹:葉が平らに広がった樹木 ⋯ 蒸散しやすい
針葉樹:葉が針状になった樹木 ⋯ 蒸散しにくいが、水分を保持し、乾燥に耐えられる
常緑樹:1年中葉をつけている樹木
落葉樹:乾季や冬に葉を落とす樹木
上記の用語は植生の遷移やバイオームの単元で出てきますが、導入の段階で正確に把握することで、遷移やバイオームへの理解が深まります。
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文責:滝沢