【化学基礎】溶液の濃度【授業実践備忘録】
さて、今回は溶液の濃度についての授業実践についてつらつらと。
高校化学では溶液を使った反応を扱うことが多く、molを使って量的な関係を考えることが中心になっています。
それで、molを使って濃度を考えることが重要になってくるわけです。
溶質・溶媒・溶液
中学校1年の理科で水溶液の性質についてすでに学んでいます。
私が溶液の濃度の授業をする際、導入として必ず、溶質・溶媒・溶液および溶解といった用語の定義の確認をします。
その際、食塩が水に溶けて食塩水になることを例にして、食塩・水・食塩水はそれぞれ「溶◯」というか?といった問いかけをします。
こうすると生徒の食いつきがよく、自然と近くの生徒どうしで相談するようになります。
質量パーセント濃度とモル濃度
中学校1年の理科と数学の授業で質量パーセント濃度についてはすでに学んでいます。
この質量パーセント濃度が中学校の頃苦手だったという生徒が多く、特に数学で「◯%の食塩水△gと、▢%の食塩水☆gを混ぜたら何%になるか?」という問題で苦労したという話をしばしば耳にしています。
質量%濃度の式を示した後に問題演習を行うと、分母には溶液の質量を当てはめるべきところを、溶媒の質量と間違えてしまう生徒がたびたび見られました。
質量パーセント濃度の公式提示と問題演習を行った後は、モル濃度について触れます。
正式にはモル濃度は「体積モル濃度」といい、溶液1Lに含まれる溶質の物質量で定義をされます。
(※上位科目の「化学」で「質量モル濃度」について扱います)
この溶液の濃度以前に物質量について授業をしていますが、溶液の体積と気体の体積の換算がごっちゃになって、溶液の体積に22.4Lという数値を掛けてしまう生徒もわずかながらいました。
濃度の単位の換算
※濃度の単位の換算については、学力が下位層の授業では省略することもあります。
質量パーセント濃度もモル濃度もそれぞれ分母が溶液の量、分子が溶質の量であることが共通しています。
そこで、下の板書画像に示したフレームを使うと、溶液・溶質ごとに単位の換算が実は用意になったりします。
ポイントは溶液1Lを基準に考えることです。
溶液の濃度換算の問題を解く際、多くの生徒が下のフレームを自分で書いて解く姿が見られました。
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文責:滝沢