【化学基礎】化学反応式①〜係数づけを楽しむ〜【授業実践備忘録】

今回は化学反応式に関する授業実践について綴ります。
私が担当する生徒の多くは、中学時代に化学反応式を苦手としていました。
高校生が化学反応式の学習をいかに楽しめるか、授業準備中には大いに悩みました。
そのため、生徒の学習意欲を高める授業実践についてご紹介します。

粒を描くことからの脱却

化学反応式の授業では、まず正確な係数の設定から始めました。多くの生徒は係数の目的が理解しにくく、途中で混乱してしまうようです。
中学校では化学反応式を示す際に原子の粒を図示する方法が取られていますが、高校化学では複雑な物質構造が登場するため、この方法は逆効果になることがあります。

数字で数合わせを考えられるようになる

私の授業では次のように指導しています。

1.反応式に登場する原子の種類と個数を一覧化する。

ここで重要なのは、化学式の下に数字を記載することです。

2.散らばりが少ない原子から数を合わせる。

水素と酸素の反応を例に取ると、酸素の数が両辺で合うように調整が必要です。そこで水分子の数を2倍にし、係数を設定します。
これにより水分子、水素原子、酸素原子の数が2倍になったことが明確になります。

3.他の原子の数も順番に合わせる。

これにより水素原子の数が不足してしまうので、水素分子の係数を2に設定し、数を合わせます。
すべての原子に枠がついたら、反応式が完成します。

途中で分数を使用する場合

反応式によっては、数を合わせるために途中で分数を使用しなければならないこともあります。
しかし、原子の個数を数える際に分数や小数を使用することは避けるべきなので、必ず整数で係数を設定するようにします。
初めは生徒に自分で考えさせ、次に解法を説明します。

生徒自身による演習

私からの解説の後、生徒たちは与えられた化学反応式に正しく係数をつける問題を解きます。
個別の作業から始め、時間が経過すると共にグループで討議を行いながら問題を解決します。
この方法は授業の雰囲気を良くし、多くの生徒が化学反応式の学習に意欲的に取り組むことができました。

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文責:滝沢