【生物基礎】生体防御【授業実践備忘録】
久々の授業実践備忘録の投稿になります。
今回は生体防御と免疫がテーマ。
生体防御とは体に有害な病原体から身を守る作用のことです。
体の中に有害なものが入ってこないようにするために、ヒトの体は2段階のバリアが張り巡らされています。
その授業実践と板書例をご紹介。
第1段階:病原体を体の内側に入りこませない
まず大事なことは、病原体を体の内側に入り込ませないことです。
そのために、物理的・化学的な生体防御が作用します。
物理的な生体防御とは、病原体の動きを力ずくで封じ込めることです。
物理的な生体防御としては皮膚の角質層、体毛、粘液などが挙げられます。
これらによって病原体が体の内側に入り込めない、あるいは内側へ入り込もうとしても排除されるようになっています。
また、化学的な生体防御というのはヒトの体から分泌される酵素などによって、病原体が分解されていくようなことをさします。
例えば唾液や涙の中に入っている酵素リゾチーム、ディフェンシンなどが挙げられます。
第2段階:体内に侵入した病原体を排除する=免疫
それでも病原体は物理的・化学的な生体防御の隙を縫って体の内側に侵入することがあります。
その際に働く機能が免疫です。
免疫では様々な種類の白血球が働き、自然免疫と獲得免疫(適応免疫)に分かれます。
自然免疫
免疫では最初の段階として、あらゆる病原体を取り込み分解する食作用が行われます。
これを自然免疫といいます。
私の授業では、犯罪者を取り締まる「お巡りさん」に例えて、白血球の中でも食作用に関する細胞(食細胞)の働きを説明しています。
獲得免疫(適応免疫)
病原体がリンパ管に入り込むと、白血球の一種であるリンパ球が特定の病原体(=抗原)の排除に向けて働きます。
この働きを獲得免疫あるいは適応免疫といいます。
獲得免疫には、抗体という飛び道具を使って抗原を一網打尽に捕まえる体液性免疫と、病原体に感染した細胞をやっつける細胞性免疫があります。
これらは実際に同時に働きますが、生徒にとっては一度に詰め込まれると混乱するといった反応が強いので、私の授業ではそれぞれ別個で説明しています。
私の授業で一通り説明した後、理解を深めてもらうために、アニメ『はたらく細胞』やNHKスペシャル『人体』を見て、映像学習を取り入れています。
こぼれ話
第1段階の物理的・化学的な生体防御の中では唾液について話す際、ウサギを例に説明しています。
ウサギはよく自分の体を舐める習性がありますが、唾液の中に含まれている酵素が体の汚れを分解する作用があるのだとか。
なぜウサギを例にするかと申しますと、数年前より私の知人がペットでウサギを飼い始めたことをきっかけに、私自身がYouTubeで「うさぎの麦ちゃんねる」「うさぎのポッケ」といったチャンネルにハマってしまったからなんです。
私がウサギの話をするのが生徒にとっては意外だったようで、いつも以上に私の話に集中して耳を傾けていたように感じました(笑)
また、第2段階の獲得免疫については、(あまりオススメはしませんが💦)アニメ「はたらく細胞」とは違うストーリーを私が勝手に作り、擬人化して生徒に説明しています。
例えば、ヘルパーT細胞を演じる際は「緊急指令、B細胞に告ぐ!病原体がリンパ管内に入り込んだ!直ちに抗体を産生し、対応せよ!」とラジオDJのような声(イケボ)でアナウンスをしたり⋯
B細胞を演じる際は「よっしゃ、キター!いくぞ、ひっさーーつ!抗ー原抗ー体反応ーーー!」と叫んだり⋯
キラーT細胞を演じる際は「どこのどいつだあ、◯にてえ奴らはー!全員まとめてかかってこいやー!オラ!オラ!ウラア!」などとフルボリュームで絶叫したりしました。
クラスによっては爆笑が起こったり、「これ、他のクラスから苦情くるぞ」といった反応が生徒から来ました。
何にしても、生徒にとっては強烈なインパクトがあったようです。
高校1年生にとって、2学期の後半は学校生活に慣れ、ダレてきやすくなっていたので、こうした形で授業に刺激を加えてみたわけです。
40代にもなってこんなことをするのは恥ずかしいんですけどね(笑)
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文責:滝沢