2024.12.27 edcamp Shibaに参加しました(後編)
2024年12月27日、東京都港区にある芝国際中学校・高等学校で開催されたedcamp Shibaに参加して参りました。
edcampというのは教職員だけでなく、教育に関心の強い生徒・保護者・一般市民の方も集まって、参加者が当日話したいテーマを決め、テーブルに分かれて語り合うというイベントでございます。
今回の後編の記事では、午後のセッションで話し合ったことを綴っていきたいと思います。
セッション2・教員のモチベーション
セッション2の前半ではモチベーションについて、多種多様多数の方々と語り合いました。
特にこのテーブルでは教員どうし普段からコミュニケーションをとり、互いを知るために雑談が必要であることが最初に話題になりました。
このテーブルでは一般の会社員の方も参加されていましたが、企業ではフリーアドレス(座席指定がない)で、必要に応じて多くの方とコミュニケーションが取れるようになっているとのこと。
その中でお話に挙がりましたが、上司が席をグルグル回り、多くの部下の方に声がけし、互いに話しやすい職場環境にしやすいようで。
ただ、雑談は職場を活性化するというプラスの作用と、陰口・悪口のオンパレードになるというマイナスの作用があることにも気をつけなければならないということも話題になりました。
また、コロナ禍以降、飲みニケーションの機会が減ったことも話題になりました。
職場によっては、忘年会の参加率が低いことから開催自体を取りやめたというところもあるようで。
また、職員の中では積極的に参加したいor参加したくないと2分されそうですが、実はご家庭の事情により「参加したいけどできない」というご意見も多数あるとのこと。
それで、2部構成にして懇親会をしたらどうかという提案もされました。
私自身は飲みニケーション推進派ですが、参加したい人だけで集まって楽しめれば良いと思っています。
セッション2・生成AIと教育
教員のモチベーションについて語り合うのと同じ時間に、AI活用についても語り合うテーブルがございました。
先程の教員のモチベーションについて語り合うテーブルを途中で抜け、AI活用について語り合うテーブルに途中から参加致しました。
このテーブルではAIが人間の能力を超えてしまったらどうなるのかという不安、AIがどこまでできるのか、AIをどのように活用するのかが話題となりました。
AIは仕事を加速する「ターボエンジン」になり、使う人の能力を最大限発揮するツールになり得るということでまとめられました。
ただ、裏を返せば、AIを使いこなせるにはそれを使う人の能力が問われ、的確なプロンプト(命令文)を綴ることが重要になってくるとも言えます。
セッション3・探究学習
今回のedcampでは探究学習について意見交換があればと思っていましたが、私と同じ思いを持たれている方は多かったようで。
しかも、探究学習について語り合うテーブルには教員はもちろんのこと、探究学習を実際に行ってきた現役の高校生2人と大学生2人も参加されていました。
このテーブルではそういった高校生・大学生の生の声を聴くことがメインとなりました。
現在、高校では「総合的な探究の時間」「理数探究」といった教科・科目が設定されていて、探究活動を行う機会が増えています。
ただ、今回参加された高校生のお話によると、STEAM教育に絡めた探究活動の時間が学校設定科目であり、その中で探究活動を行われているとのこと。
同じテーブルに参加していた別の高校生は、自分自身でイベントを企画し、周りの仲間を動かす活動をしていく中で、探究的な姿勢が自然と身についていたとのこと。
高校時代に探究学習を体験した大学生のお話によると、選択科目で履修者が少なかったことから、毎回ゼミ形式で反転授業が行われていて、主体的に学習に取り組まれていたとのこと。
また、別の大学生は自身が高校時代、探究学習に意欲的に取り組まれていたことから、探究学習では「自分がどうありたいか」ということを意識して取り組まれていたことや、大人になればなるほど探究する姿勢が必要であることを仰っていました。
彼らのお話を聴いていると、探究学習というのは、何も学校の授業として行うだけでなく、普段の学校生活や日常生活の中でも自然に行えるものではないでしょうか?
特に、学校の授業でも日常生活の中でも、何か引っかかる「フック」があることから自然と探究が始まり、実は人間が当たり前に備わっている学び方なのではないか?
それを深めることが人生を豊かにするのではないか?
今回のセッションを通してこんなことを考えていました。
私自身は学校において、授業の中で生徒と関わっていますが、こうした探究的な学びを促すためには、そういった「フック」を仕掛け、生徒自身が自然と学びたくなるようにすることがこれから重要になってくるのではないかと改めて思いました。
探究学習については教員だけの学習会などで話題になりますが、現役の高校生や探究学習を経験してきた大学生の生の声をじっくり聴くのは、私にとっては初めての経験でございました。
とりあえずここで一息
edcampはずっと気になっていましたが、今回参加して、非常に有意義な1日となりました。
私自身はこれまで教員向けの学習会に参加していますが、志の高い教員・生徒・学生・保護者・一般の大人の方が一同に揃って、対等に語り合う機会に触れたのは初めてでした。
特に現役の中学生・高校生・大学生の本音や思いを聴けたのは非常に有意義でした。
今ではあまり言われなくなりましたが、歳を取ると「近頃の若い者は〜」などと言いたくなってしまうようで。
しかし、そんなことはありません。
むしろ、今回参加した中学生・高校生・大学生のお話を聴いていると、「近頃の若い者」の方が私たちの若い頃より優秀だと思います。
こういった若者が多く輩出するよう支援していくことが、教員として問われているのではないかと改めて感じました。
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文責:滝沢