効果的な授業プリントの作成法

私が教員になって4年目から、高校の理科の授業でプリントを自作し、毎回の授業の冒頭で生徒に配布しています。
プリントの作成方法は用途によって異なりますが、この記事では通常の座学の授業で使用するプリントの作り方に焦点を当てて解説します。

プリント作成の目的

プリントを作成することには多くの利点があります。
初めに、授業の大まかな流れを生徒に理解させることができます。
また、複雑な図や化学構造式を予めプリントに含めることで、描画の手間を省き、授業時間を有効に活用できます。
さらに、教科書にはない補足資料を提供することも可能です。
これにより、生徒は授業内容を安心して効率的にまとめることができます。

私の授業プリントの一例

以下に、私が作成した授業プリントの一例を紹介します。
例えば、「化学基礎・固体の溶解度」と「化学・気体の法則」に関するプリントです。
これらのプリントでは、生徒が授業内容を独自の言葉でまとめられるよう、意図的に「いい加減に作る」ことを心掛けています。
右下の空白部分は、問題の解法を書き込むためのスペースとして設けています。

プリント作成の技術

プリント作成では以下の要素に注意を払っています。

1.通し番号

プリントには管理しやすいように通し番号を付け、指示に従ってファイリングするように生徒に促します。

2.タイトル・目的・テーマ

各プリントの先頭には、学ぶテーマを明確にするためのタイトルを設定します。
これにより、教科書の中の単元と連携しながら、内容の理解を深めます。

3.空白の利用

プリントの一部を空白にして、生徒が自由にメモや計算を記入できるようにします。

4.教科書のページ参照

授業で使用する教科書のページ番号を記載して、生徒が素早く情報を参照できるようにします。

5.復習とワーク

授業プリントを使って、生徒が定期的に内容を復習できるよう、関連する問題集のページや番号を記載します。
また、興味を引くための「ワーク」も含めます。

補足

最近では紙を使わず、タブレットとロイロノートなどのアプリを使っている学校が増えています。
ノートアプリで授業をする際は、wordなどで作った原稿をpdfに変換し、ノートアプリで使えるようにクラウド保存をしています。

まとめ

プリントは、生徒が自身で考え、独自の言葉で内容をまとめるための強力なツールです。
適切な枠組みを提供することで、生徒が自学自習をしやすくなります。
ぜひこれらの技術を試して、効果的な授業プリントを作成してみてはいかがでしょうか。

理科教育力向上ラボでは、高校の理科の先生方がよりよい授業をできるように様々な形で支援して参ります。
今回のような授業プリント作成・教材研究などの支援も致しています。
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文責:滝沢