非常勤講師は学校を活性化する触媒になる?!

私は今年で教員生活20年目を迎えていますが、これまで愛知県・三重県のさまざまな私立高校・私立中高一貫校で専任教諭・常勤講師・非常勤講師を務めてきました。
現在は理科教育力向上ラボの代表ではありますが、2つの高校で非常勤講師を掛け持ちしています。
これまでの勤務校を振り返ってみると、多くの学校では非常勤講師は「お客さん」扱いされ、毎日勤められている専任教諭・常勤講師の方からすれば一歩距離を置かれているような感じがします。
逆に、非常勤講師の方の様子を見てみると、どこか割り切ってお仕事されているなあと思えるところもあります。
しかし、専任教諭・常勤講師と非常勤講師の間で距離をおいていることには、実はもったいないと思える要素が潜んでいます。
児童生徒への教育効果を高め、学校を活性化することにもつながるような非常勤講師(と)の関わり方について、僭越ながら提言を致します。

非常勤講師の先生は貴重な情報源

ここ数年、私は2つの学校を掛け持ちで講師をしているからなのか、勤務校の管理職の先生から「滝沢さ〜ん、〇〇の学校はどんな感じ〜?」「〇〇の学校の▲▲先生は元気〜?」ということをよく聞かれたりします。
また、同じ理科の先生から「〇〇の授業で困ってるんですけど、先生、何かいい方法やネタはありませんか〜?」ということも聞かれたりします。
こうしたお声がけをいただき、本当にありがたい限りです。

私が見ている限りでいえることですが、特に私立の専任の先生方は長いこと同じ職場でお勤めになっていて、かつ業務がご多忙ということもあってか、他の学校での授業実践について積極的に情報を得ようという取り組みが乏しいようです。
あるいは、他の学校ではどう授業しているのか関心はあるものの、情報をどうやって得たらいいのかわからないというケースも見られます。
そのせいで、長年同じような授業スタイルに凝り固まってしまうということが往々にしてあるようです。
しかし、心ある専任の先生は、非常勤講師の先生に声をかけ、勤務校の外の情報を得て、ご自身の授業をよりよくしようと取り組まれています。
非常勤講師の先生は専任の先生とは違い、授業のみに専念されているので、深みのある教材研究・授業をされています。
特に、複数の学校を掛け持ちされている先生は、様々なタイプの生徒に対応されています。
専任の先生におかれましては、非常勤講師の先生のこうしたご経験を活かさないと、もったいないと思いますよ。

非常勤講師の先生からも積極的な情報発信は必要

私自身も非常勤講師を勤めていて、勤務校の方針やシステムに対してもどかしい思いをすることが度々あります。
しかし、非常勤講師の先生の中では、非常勤だからといって言いたいことがあっても遠慮されていることがあったりしませんか?
実は、学校の中ではどう改善していいかわからないまま、何となく慣習・惰性で進んでいる業務もあります。
そうした場合、他校の業務を存じ上げている非常勤講師の方が他校の情報を発信されることで解決につながることもあります。

※非常勤講師の先生から「〇〇の学校ではこうだった」と多く言われると、専任の先生にとっては嫌味に感じ、印象を悪くされることがありますので、気をつけなければいけないところですけどね。

ちなみに、私自身が勤務校のシステムに対して改善を求めたことがあります。
この時、私自身が困っていることと、「他の学校ではこういう方法をとっているんですけどね〜」ということを「解決提案」になるように伝えました。
そうしたら、勤務校の管理職の方から「ありがとう」とお礼を言われたこともございます。

ここで一区切り

長々と私の経験を綴って参りましたが、非常勤講師の先生は現在ご勤務されている学校にはない情報を持たれている貴重な存在でもあります。
そうした情報を非常勤講師の先生が発信されることで、児童生徒への教育の質の向上・職場改善・学校の活性化にも繋がる可能性があります。
そのためにも、専任・常勤の先生と非常勤の先生で、より一層活発にコミュニケーションをとられてみてはいかがでしょうか?

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文責:滝沢