高校生物の授業で成功する酵素実験の進め方

久々の投稿になります。
最近よく聞かれることがあります。

「滝沢先生はいつもどんな授業をされているのですか?」と。

そこで今回から不定期に、私が高校で行っている授業実践を紹介していきます。
今回は、生物基礎の授業において、肝臓に含まれているカタラーゼの働きについて学ぶ実験の進め方に焦点を当てて解説します。

 

実験準備

カタラーゼ実験を行う前に、酵素の基本特性(基質特異性、最適温度、最適pH)について講義を行います。
これらの理論を生徒自身で確かめるための実験です。
行事の都合で40分の授業時間で実験を行いましたが、この短い時間でも効果的に実施する工夫を凝らしました。

実験用の器具は事前に生徒用テーブルに配置しました。
特に危険な試薬は先生用の教卓に、危険性の低いものや肝臓は使用しないテーブルに配置し、教室の動線を考慮しました。
生徒が試薬の準備に迷わないよう、具体的な指示を含む付箋を各容器に貼り付けました。

役割分担

実験の目的と手順を明確に説明した後、生徒たちは5〜6人のグループで実験に取り組みました。
全員が参加し、誰もが実験に集中できるよう役割分担を厳密に行いました。
これにより、生徒はそれぞれが責任を持って実験に臨むことができました。

実験の考察

40分の授業では実験結果の記録に追われましたが、次の授業で生徒たちは実験結果を基に考察を深めました。
特に生の肝臓と加熱した肝臓の比較、酸性やアルカリ性条件でのカタラーゼの活性差を探る考察課題がありました。
この考察課題というのは、生徒にとっては何をどう書けばいいのかわからず、もし書けたとしても表面的なことにとどまりがち。
今回の実験では、肝臓に含まれ過酸化水素を分解する酵素・カタラーゼの働きについて理解することを主な目的としていました。
そのため、考察では目的としているカタラーゼの働きに触れなければならないということを指導しました。
酵素には最適温度があり、熱を加えると変性し、酵素としての働きを失うということと、カタラーゼは中性でよく働き、酸性・アルカリ性(塩基性)では働かないことを説明できるように、授業では穴埋めの文を私の方で示しながら生徒に考えてもらいました。

この記事を通じて、生物の授業をご担当されているがカタラーゼの実験を効果的に行うためのヒントになれば幸いです。
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文責:滝沢