【高校化学基礎】純物質と混合物|単体・化合物・純物質・混合物の違いは?【授業図鑑】

以前の記事では、単体と化合物の分類を取り上げました。
今回は、純物質と混合物の違いをテーマに、授業実践例を紹介します。

純物質とは、1種類の物質だけからなるものです。
一定の圧力のもとでは融点や沸点が一定で、密度も温度・圧力をそろえれば、その物質に固有の値を示します。

これに対して混合物とは、2種類以上の物質が混ざったものです。
混合比によって密度などの性質が変化し、多くの場合、融解や沸騰が一定の温度ではなく、ある温度範囲で進みます。

実際に授業で説明していると、「混合物と化合物の違いが分からない」という声がよく聞かれます。
単体・化合物・純物質・混合物という4つの言葉の関係を理解するのに、戸惑う生徒は少なくありません。

そこで私の授業では、まず単体と化合物を説明したうえで、それらをまとめて純物質と呼ぶことを確認し、その後に混合物との違いを扱っています。

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純物質は、単体と化合物に分けられる

はじめに、単体と化合物の定義を振り返っておきましょう。

単体とは、1種類の元素だけからできている物質です。酸素 O₂、水素 H₂、鉄 Fe などがその例です。

これに対して化合物とは、2種類以上の元素からできている物質です。
水 H₂O、二酸化炭素 CO₂、塩化ナトリウム NaCl などがその例です。

単体と化合物は、どちらも1種類の物質だけからなるため、まとめて純物質と呼ばれます。
つまり、純物質は単体と化合物に分類されます。

混合物とは

混合物とは、2種類以上の物質が混ざったものです。
それぞれの成分の割合は一定とは限らず、混合比によって密度や沸騰のしかたなどの性質が変化します。

例えば食塩水は、水と塩化ナトリウムからなる混合物です。
水溶液中では、塩化ナトリウムが電離して生じたナトリウムイオンと塩化物イオンが、水分子の間に分散しています。

また、空気も窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素など、複数の物質からなる混合物です。

授業では、「混合物」と「化合物」の違いが分からないという生徒がよく見られます。
その場合には、粒子モデルを使い、次のように説明します。

  • 異なる種類の原子が一定の割合で結合し、1種類の物質になっているものが化合物
  • 複数の物質が、それぞれの粒子の種類を保ったまま一緒に存在しているものが混合物

化合物では、もとの単体とは異なる性質をもつ新しい物質が生じています。
一方、混合物は、ろ過・蒸留・再結晶など、物質の性質の違いを利用した操作によって成分を分離できます。

純物質と混合物の性質を比べる

純物質と混合物の違いは、加熱したときの温度変化からも考えられます。

下の図は、純水、純粋なエタノール、水とエタノールの混合液を加熱したときの温度変化を表した概念図です。

1気圧のもとでは、純水は約100 ℃、純粋なエタノールは約78 ℃で沸騰し、沸騰している間の温度は一定に保たれます。
加えた熱が、液体を気体に変えるために使われるからです。

一方、水とエタノールの混合液を開放系で加熱すると、エタノールを多く含む蒸気が先に出ていき、残った液体の組成が変化します。そのため、沸騰が進むにつれて沸騰温度も変化します。

なお、混合液が沸騰し始める温度や温度変化の曲線は、最初の混合比や加熱条件によって異なります。
また、混合物の中には共沸混合物のような例外もあるため、「混合物は必ず沸騰中に温度が上がる」と断定しないことが大切です。

粒子モデルで比べる純水と砂糖水

純物質である水と、混合物である砂糖水を粒子モデルで比べてみましょう。

純水には、水分子 H₂O だけが存在します。
一方、砂糖水には、水分子とスクロース分子 C₁₂H₂₂O₁₁ が存在します。

ここで注意したいのは、砂糖水も十分に溶けていれば、巨視的にはどの部分もほぼ同じ組成の均一な混合物だということです。
純物質と混合物の違いは「1種類の物質だけからなるか、2種類以上の物質からなるか」にあります。

粒子モデルでは、純水には同じ種類の粒子だけを、砂糖水には水分子とスクロース分子の2種類を、どの部分にもほぼ均一に描くと違いが伝わりやすくなります。

単体・化合物・純物質・混合物の分類

物質は、まず純物質と混合物に分類できます。
さらに、純物質は単体と化合物に分類されます。

この分類では、「何種類の元素からできているか」と「何種類の物質が含まれているか」という、2つの異なる観点を分けることが重要です。

まとめ

単体・化合物・純物質・混合物は、同じ基準で並べられた4分類ではありません。

単体と化合物は「構成している元素の種類」による分類であり、純物質と混合物は「含まれている物質の種類」による分類です。

この2つの分類基準を分け、粒子モデルや加熱曲線と結び付けることで、用語の暗記にとどまらない理解につなげることができます。

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