【教員向け】テスト問題は「読めること」から始まる

最近、授業やテスト対応をしている中で、あらためて感じたことがあります。
それは、テスト問題は「内容が適切であること」以前に、まず生徒にとって「読めること」が大切だということです。
ここでいう「読める」とは、単に日本語として読めるという意味だけではありません。

◆問題文の文字が見やすいこと。

◆数値や単位が判別しやすいこと。

◆化学式や記号が紛らわしくないこと。

◆濁点や半濁点、添字、指数、小さな文字が見落とされにくいこと。

こうした一つ一つが、実はテスト問題の質に大きく関わっています。

理科の問題では、文字だけでなく、数値、記号、単位、図、表、グラフなど、さまざまな情報を読み取る必要があります。

◆化学式の小さな数字が見えにくい。

◆「a」と「d」が判別しにくい。

◆「g」と「9」が紛らわしい。

◆濁点の有無によって言葉の意味が変わる。

◆指数表記が読みにくい。

◆図や表の線が細すぎて、どこを見ればよいのかわからない。

こうしたことが起こると、生徒は本来問われている理科の内容に入る前に、問題の情報を読み取る段階でつまずいてしまいます。

もちろん、テストでは生徒の理解度を測る必要があります。
しかし、そこで測りたいのは「理科の内容を理解しているか」であって、「読みにくい問題文を解読できるか」ではないはずです。
生徒が間違えたとき、それは本当に内容を理解していなかったからなのか。
それとも、問題文や数値、記号の見え方でつまずいてしまったのか。
ここを切り分ける視点は、テスト問題を作成するうえでとても大切だと感じています。

特に理科の評価問題では、内容・難易度・視認性のバランスが重要です。
内容が簡単すぎれば、評価として十分ではありません。
一方で、難しくしようとするあまり、問題文が長くなりすぎたり、情報量が多くなりすぎたりすると、生徒は「何を問われているのか」をつかみにくくなります。
また、せっかくよく考えられた問題であっても、文字の大きさやレイアウト、図表の見やすさが不十分であれば、問題の意図が正しく伝わらないことがあります。

テスト問題は、単なる知識確認の道具ではありません。
教師が「何を見取りたいのか」を形にした教材でもあります。
だからこそ、問題を作るときには、次のような視点が必要になります。

◆この問題で何を評価したいのか。

◆生徒はどこを読めばよいのか。

◆不要な読みにくさが入り込んでいないか。

◆数値や記号は判別しやすいか。

◆図や表は情報を助けているか、それとも負担になっているか。

こうした細部への配慮は、決して「生徒に甘くする」ということではありません。
むしろ、生徒の理解を正しく見取るために必要なことです。

理科教育力向上ラボ、そして今後展開していくSFB科学教育デザインラボでは、授業づくりや教材づくりについて、現場で感じたことをもとに発信していきたいと考えています。

授業は、説明のうまさだけで成り立つものではありません。
教材、板書、発問、課題、テスト問題など、生徒が学ぶための環境全体によって成り立っています。
その中でもテスト問題は、生徒の学びを見取る大切な場面です。
だからこそ、テスト問題は「解ける・解けない」の前に、まず「読めること」から始まる。
この視点を、これからも大切にしていきたいと思います。

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