【勝手気ままに読書メモ】『土と生命の46億年史』

2024から2025年にかけての年末年始、私は東京・大阪に出向く機会がありましたが、旅先の新幹線の中で一冊の本にハマって、ずっと読んでいました。
それは、講談社ブルーバックスの『土と生命の46億年史』(著者・藤井一至先生)という本です。

(講談社HPでの紹介はこちら)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000404469

もともと私は農学系の大学出身で、生ゴミの堆肥化・資源化に強い興味がありました。
それに関連して、土についても学んできました。
土というのは実に奥が深い。
岩石が風化して出来た鉱物と生命活動による産物が長い年月をかけて絡み合い、生物が生きる上で必要なものを蓄え、「土壌」が生成されてきました。
この土(土壌)と生物が相互作用し、両者ともに大きな進化・退化を繰り返し、地球環境や生命活動が現在に至っているわけです。
今回紹介する『土と生命の46億年史』では、その過程をわかりやすく著されています。

目次

第1章 すべては粘土から始まる

第2章 生命誕生と粘土

第3章 土を耕した植物の進化

第4章 土の進化と動物たちの上陸

第5章 土が人類を進化させた

第6章 文明の栄枯盛衰を決める土

第7章 土をつくることはできるのか

 

コメント

◆岩石の風化、微生物・植物・(ヒトを除く)動物・人類と土壌との関わりをそれぞれ章ごとに分けて、生命活動と進化・物質循環の変遷を分かりやすく著されています。

◆高校の化学(イオンの変化)・生物(生態系と物質循環・進化)・地学(岩石の生成)の教科書でも扱われている内容が織り交ぜられているので、こうしたことを予備知識としてもっておくと、この本の内容理解が深まります。

◆生命の46億年の歴史とともに土壌が形成されていたことがわかりますが、実は土壌というのは石炭・石油・天然ガスといった化石燃料同様、枯渇性の資源であることがわかるようになります。

◆高校の教育課程では、生物・地学・地理・農業・工業(環境に関する科目)で土壌について断片的に扱われていますが、特に植生の構造や物質循環について理解を深める際は、この本に著されているような土壌の変遷を知っておくことが必要ではないかと思います。

補足

この藤井一至先生は他に『大地の五億年』『土 地球最後のナゾ』といった著書を出版されています。

化学・生物の細かいことを抜きにして、地理・歴史的に土壌について学ばれたい場合は、この二冊も読まれるいいですよ。

『大地の五億年』

https://www.yamakei.co.jp/products/2822049430.html

『土 地球最後のナゾ』

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334043681

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文責:滝沢