【世界が広がる大人のサイエンス】#14 放射線と同位体③【化学/物理学】
前回の記事に引き続き、今回も放射線をテーマにして記事をお届けします。
放射線に対して「怖いもの」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
一方で、放射線は医療や工業、農業、研究など、さまざまな分野で活用され、私たちの暮らしを支えている側面もあります。
前回の#13では、放射線の量や人体への影響について解説しましたが、今回の記事ではそれとは対照的に、放射線の「プラスのはたらき」に目を向けてみたいと思います。
放射線の種類
放射線とは、高いエネルギーをもった粒子線または電磁波のことです。
主な放射線には、次のようなものがあります。
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α線:ヘリウム(⁴He)の原子核
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β線:高速で運動する電子
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γ線・X線:高エネルギーの電磁波
(一般に γ線の方がエネルギーが高く、波長が短い) -
中性子線:中性子の流れ
放射線の性質
放射線が「怖い」と感じられやすい背景には、次の2つの性質が関係しています。
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電離作用
物質に当たると原子中の電子をはじき飛ばし、イオンをつくる作用
→ 化学反応が起こりやすい状態になります。 -
透過性
物質を通り抜ける力
→ どれだけ奥まで届くかは、放射線の種類によって異なります。
放射線が人体に当たると、電離作用によって細胞内の分子(DNAなど)に影響が出ることがあり、状況によっては健康リスクにつながることもあります。
ただし、放射線の種類や量、当たり方によって影響の大きさは大きく異なります。

放射線の利用
こうした性質を理解した上で、放射線は医療・工業・農業・研究など、さまざまな分野で活用されています。
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医療分野での検査・治療
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工業製品の内部検査
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農作物の品種改良
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研究・分析への利用
こういったところなどです。
これらの利用は、放射線の性質を理解し、管理された環境のもとで行われているという点が重要です。

とりあえずここで一息
放射線には確かにリスクがありますが、同時に、私たちの生活をより良くするために役立っている側面もあります。
大切なのは、「怖い」「安全」と単純に分けるのではなく、どのように理解し、どのように扱うかを考えることではないでしょうか。
これまでの放射線に関する記事を通して、放射線とどのように付き合っていけばよいのか、考える一助になれば幸いです。
今回の問い
医療やエネルギー、日常生活の中で、あなたは放射線をどのように理解し、どのような距離感で向き合っていきたいと思いますか?
「大人の化学ゼミナール」 YouTubeライブ配信
今回の記事の内容については、1/8(木)21:00よりYouTubeチャンネル「大人のサイエンス・コミュニティ」にて、ライブ配信で詳しく解説します。
放射線について、正と負の両方の側面から、ニュートラルに考えていきましょう。
▶ ライブ配信はこちら
https://youtu.be/5PJKFaE6jrQ
これまでの放射線に関する記事
放射線について綴ったこれまでの記事のリンクも貼っておきます。
必要になりましたらご参考になさってください。
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