【ブログでわかるサイエンス】#8 地震と津波【地球科学】

この記事を綴っているのは2025年12月9日です。
昨夜、北海道・東北地方で強い揺れが発生し、津波警報も出されました。
被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
日本で暮らす以上、地震や津波は避けて通れない自然現象でもあります。
今回の記事では、むやみに不安を煽ることなく、プレートの動きという基本原理に立ち返り、地震や津波が「なぜ起こるのか」を整理していきたいと思います。

地震とは?

地震は、地下の岩盤に力がたまり、それが限界を迎えて“ずれる”ことで起こります。
岩盤がずれた面を断層といい、その断層の中で最初に破壊が始まった点を震源、その真上の地表を震央と呼びます。

震度とマグニチュードの違い

震度:その場所がどれくらい揺れたか

マグニチュード(M):地震の規模(エネルギーの大きさ)

マグニチュードが1増えると、エネルギーは約32倍。
しかし、同じ地震でも「揺れ方」は地形や地盤により大きく変わる点が重要です。

地球の内部とプレートの動き

地球は、成分により地殻・マントル・核に分けられ、岩石の硬さに注目すると、リソスフェア(硬い岩石層)・アセノスフェア(やわらかい岩石層) の2つに分けられます。
リソスフェアがいくつかの“板状”に分かれ、ゆっくり動いているものがプレートです。

プレートには大陸プレート(厚い・密度小)海洋プレート(薄い・密度大)があり、後者は密度が大きいため、大陸プレートの下に沈み込みます。

日本列島で起こる3タイプの地震

① プレート境界地震

海洋プレートが沈み込む際、大陸プレートに力が加わり、弾けるようにずれることで発生。
海底で起きるため、津波が発生することがあるタイプです。

② 大陸プレート内地震(内陸地震)

列島の下では複数のプレートが押し合っており、陸の内部にもひずみが生じます。
その歪みが限界に達して起こるのが内陸地震で、浅い場所で起こるため、局所的に強い揺れとなることがあります。

③ 海洋プレート内地震

沈み込んだ海洋プレートの内部が曲げられることで発生。
深い場所で起こるものも多く、広い範囲で揺れを感じる場合があります。

津波とは?

一般的な波は「山と谷」が連続しますが、津波は海面そのものが押し寄せる現象です。
海底が急に動くことで大きな水の塊が移動し、陸へ達すると浅い場所でも強い流れが生じます。
「波の高さ」よりも「流れの強さ」で危険になる点が特徴です。

とりあえずここで一息

今回は、地震と津波のしくみを“知識として落ち着いて理解する”ことを目的としてまとめました。
次回は、地震の揺れ方や震度の決まり方について、日常の感覚にも結びつけながら解説していく予定です。
被害に遭われた皆さまが、一日も早く穏やかな生活を取り戻されますよう、心よりお祈り申し上げます。

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