【ブログでわかるサイエンス】#9 地震の揺れ【地球科学】
このブログを執筆しているのは2025年12月10日です。
一昨日、北海道・東北地方で強い地震が発生し、津波警報・注意報も出されました。
被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
日本で暮らす以上、地震は“遠い出来事”ではなく、いつでも私たちの生活と隣り合わせにある自然現象です。
今日は、前回に続いて「地震の揺れ方」と「震度のしくみ」を、災害の記憶を刺激しない表現に配慮しながら、基本から分かりやすく整理していきます。
P波とS波 ― 地震の“2つの揺れ”
地震が起こると、震源から振動の波が広がります。
これを地震波と呼び、主に以下の2種類があります。
P波(Primary wave)
・最初に届く、細かい揺れ
・速い(5〜7 km/s)
・建物のきしみや、わずかな振動として感じられることが多い
S波(Secondary wave)
・P波の後に届く、大きな揺れ
・速度はP波より遅い(2〜3 km/s)
・大きく体を揺さぶる、“本格的な揺れ”をつくる

初期微動と主要動 ― 揺れ方の変化
観測点では、次のように揺れが変化します。
初期微動(P波のみ)
小刻みで比較的弱い揺れ。
主要動(P波+S波)
S波が到達し、強く大きな揺れが起こる時間帯。
P波とS波の到着時間の差=初期微動継続時間は、震源から遠いほど長くなります。
「初期微動が長い」という情報そのものが、“遠くで大きな地震が起きた可能性がある”という判断材料にもなります。

震度のしくみ ― “どれだけ揺れたか”の尺度
震度は気象庁の定める0〜7の10段階です。
ここでは、不必要に不安を煽らないトーンで、特徴のみ簡潔に整理します。
震度0:揺れは感じない
震度1〜3:室内で揺れを感じる
震度4:多くの人が驚く。物が落ちることがある
震度5弱〜5強:家具の移動、物の落下が増える
震度6弱〜6強:立っていることが難しくなる。建物への影響が大きくなる
震度7:構造物に重大な影響が出る可能性がある
震度は「人や建物がどのように揺れを受けたか」を表し、地震の規模そのもの(マグニチュード)とは異なります。
とりあえずここで一息
地震は、最新の科学をもってしても「いつ・どこで起こるか」を正確に予測することはできません。
しかし、以下のような小さな積み重ねが、確実にリスクを減らしてくれます。
・地震の揺れのしくみを理解する
・身の回りの備えを日頃から整える
・地域の避難方法を確認しておく
前回・今回と2回に分けて地震を扱ったのも、“科学を知ることが、安心につながる”と考えているからです。
被害に遭われた皆さまが、一日も早く落ち着いた生活に戻られますよう、心よりお祈り申し上げます。
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