高校理科・新年度の授業準備をどうする?
3月も最終週に入り、新年度の始まりになる4月がもうすぐ訪れます。
今の時期はどの先生方も新年度の担当科目とクラスが決まっていますでしょうか?
ただ、4月の上旬は新年度の打ち合わせや新学年になる際の事務作業、入学式・始業式とその準備、ホームルーム開きなど、仕事が目白押しで多忙を極めることでしょう。
そんな中でも授業準備は必須。
そこで、新年度の授業準備をどのように行うか、私のこれまでの偏った経験をもとにご紹介。
(授業を長年ご経験されていらっしゃる方にとっては釈迦に説法かもしれませんが、経験の浅い先生方にご参考にしていただけるとありがたいです。)
そのポイントは3つ。
-
最低でも"1節"分は準備しておく
-
必ず教えるべきことを図表化してまとめる
-
教科書を読み、できるだけ多く問いを立てる
学校が本格的に始まった後と比べると、まだ時間にゆとりがある期間です。
少ない時間の中でもサッサとできるようにしていただきたいと思い、各項目について説明して参ります。
1.最低でも"1節"分は準備しておく
高校理科の教科書は大体、章>節>項目という階層で内容が構成されています。
私が教員になりたての頃、小さな項目だけを見て、1つ1つほぼ教科書丸写しみたいな形でノートにまとめるといったことをやらかしていました。
しかし、それでは他の項目との関連性が分からず、授業を進めるにつれてグチャグチャになりがち。
授業に深みがもてなくなります。
そうならないためにも、最低限教科書は"1節"読み通し、その節に著されている項目と他の項目との関連性をつかむことが大事。
そうすることで、最低限理解すべき知識と考え方に当たる項目、応用のしかたに当たる項目という区別ができ、学ぶ道筋も立ってきます。
2.必ず教えるべきことを図表にしてまとめる
先程の項目でも述べましたが、この記事をご覧になっている先生方の中にもノートにまとめる際、教科書や副教材などの文章の丸写しになってしまったというご経験はありませんか?
長ったらしい教科書の文章や副教材に著されていることをまとめる際、できる限り図表化・図式化することが重要だと思います。
ある本に著されていたことの受け売りになりますが、人間の物事の理解度は「図解できるかどうか」によって決まると言われているようです。
図解できる=必要な知識が整理できているという意味になるからだと思います。
そんな思いから、最近の私の授業では、できるだけ生徒に図表を描かせながら単元の内容を理解できるように促しています。
とはいっても、教科書のすべての項目をいきなり図表化することは難しい。
また、描くのがややこしい図表もありますので、そういう場合はプリントを配布するのが効果的。
最初は教科書の文章の丸写しには極力ならず、ポイントを絞って整理するというつもりでいいですよ。
3.教科書を読み、できるだけ多く問いを立てる
しかし、教科書を読んでノートやプリントに整理するというだけでは、本当の理科の学びといえるでしょうか?
理科を学ぶ際は、自然現象や事物に対して「なぜ?」という疑問から始まりますので、問いたては必須。
私自身、授業経験を重ねていく中で、本当に中身のある授業にするには、問題を解決して整理する過程を体得することではないかと思っています。
例えばこんな流れになるでしょうか。
自然現象について「なぜ?」と思う
↓
実験も交えながらいろいろ考える
↓
教科書を読んで照らし合わせて理解する
↓
ノートやプリントに整理する
これを実現するためにも、多く問いを立てることが重要だと思っています。
振り返り
まあこんなふうにグダグダと綴って参りましたが、あくまでも私の経験と主観をもとにしています。
皆様がこの記事をご覧になった際、考え方の違いというのは当然出てくるのではないかと思います。
ただ、授業の経験年数によらず、より良い授業を生徒に提供するための一案として綴って参りました。
新年度はもうすぐそこまで来ています。
これから山あり谷ありの1年になるかと思いますが、楽しい授業づくりをしていきましょう!